「復活」フレーゲビト部〜それぞれ、ひとりずつの〜への想い
お久しぶりです。スイス東部在住のリッチャー美津子です。このたびオンライン企画定期開催を始める運びとなりました。
今まで伝えきれていなかった「フレーゲPflege」への想いを綴りたいと想います。
ドイツ語で手当てやケア、介護のことを「フレーゲPflege」と言いますが、
初めは、医療や介護の現場で働く専門職の方々を中心に、その仕事に、折れずに燃え尽きずに小さな夢や希望を持ち続けて欲しいという思いから始めたこの企画。心の片隅には、日本で20数年、医療、保健、福祉、介護の世界で働いていた昔の自分の姿がいつもありました。「忙しすぎて何をしているのかがわからない」「職種間での協働ができない」「ストレスが溜まる」等、声に出すことが出来る悩みだけでも、迷いや不満がたくさん聞こえて。でも、声にも出すことが出来ない方々は「しんどさ」をどんなふうに消化、昇華されているのかと心を痛めた夜もありました。
私はスイスのホスピス、グループホーム併設型の高齢者、障がい者ホームに勤務しています。
そのケアの際に、言語だけでのコミュニケーションが成り立つことが難しいということを日々感じています。というのは、スイスドイツ語がその山や谷ごとに変化し聞き取りも音にすることも、まだまだ修行が必要です。でも、そこで立ち止まったら、前に進むことが出来ないのです。あの手この手で「今、あなたがここに生きている、私はあなたを大切に思っている」という気持ちをケアに乗せて伝え続けます。
仕事の中で、自分の諦めない気持ちが相手に伝わる瞬間や、相手が私を包み込んでくれる瞬間を「幸せ」と感じることができる心の余裕を自分自身で作ることが大切ではないかと気づいたのでした。フレーゲPflegeって介護や看護に携わる方々に伝える「ケアの形」だけではなく「人が人を大切に慮る、その温もりや優しさを伝え合っていきたい」と「復活、再開」に向けて想いを馳せています。
By リッチャー美津子